【ケーススタディ】ベンチャー支援税理士法人 大内智代表が語る、クラウドアトモス導入ストーリー
―「今までの経験値が通用しない」。経営者の“人を見る勘”を、組織づくりに使える情報へ

【この記事の3行要点】
- 約25名の組織を率いるなか、「人の特性を感覚で捉えている」ことに課題を感じていた
- クラウドアトモスで、経営者の感覚を“答え合わせ”。新人育成やチーム編成にも活用
- 「人に苦労しない会社」を目指し、採用・育成・配置までデータを活かした組織づくりへ
採用面接、日々のコミュニケーション、育成、配置――。経営者は日々、さまざまな場面で「この人はどんな人なのか」を判断している。しかし、その判断の多くは、これまでの経験や本人との接点から得た“感覚”に支えられているのではないだろうか。
約25名のスタッフを率いるベンチャー支援税理士法人の代表・大内智氏も、そのひとりだった。
「今までの経験値が、成り立たなくなっている」
そう語る大内氏は、20秒前後の動画から観察される非言語情報などをもとに人物特性を整理する「クラウドアトモス(CLOUD ATMOS)」を導入。スタッフ一人ひとりの特性を可視化し、新人育成、チーム編成、そして今後の採用へと活用を広げている。
クラウドアトモスの導入によって、「人を見る」ことはどのように変わったのだろうか。ベンチャー支援税理士法人 代表の大内智氏に話を伺った。
クライアント:
ベンチャー支援税理士法人 統括代表 大内智氏
https://venture-shien.jp/
※このインタビューは2026年8月に実施しました。
「お金に困らない会社」をつくる。そのために、顧客との対話を大切にする税理士法人

――まず、ベンチャー支援税理士法人について教えてください。
大内代表:税理士法人なので税務がメインの仕事になりますが、一番力を入れているのは、お客様の資金繰りを良くして、「お金に困らない会社」になっていただくことです。お金は日々動いていくものなので、お客様とのコミュニケーションをとても大切にしています。とにかく打ち合わせをして、お客様とお会いしていく。それがうちの法人の特徴であり、強みだと思っています。
もともとはNPO法人など非営利法人の専門事務所をやっていた経緯があり、社会起業家を支援したいという思いから「ベンチャー」という名前を付けました。スタートアップだけでなく、起業家の方々を広く支援していきたいと思っています。
スタッフのことは分かっている。でも、それは「自分の感覚」だった
――クラウドアトモスを導入する前は、人や組織についてどのような課題を感じていましたか?
大内代表:職員一人ひとりについて、「だいたいこんな感じの人だろうな」というイメージは持っていました。日常的に接しているので、「この人はこういう人かな」と感覚では分かるんです。でも、それはあくまで自分の中にある感覚でした。
クラウドアトモスの分析をしてよかったのは、その答え合わせできることでした。自分が漠然と持っていたイメージが文章になって、「やっぱり自分が感じていたものと近いな」と確認できる。それが大きかったですね。
大内代表は、スタッフの採用にも自ら関わっている。しかし、履歴書や職務経歴書を確認し、1時間ほど面接をしても、「実際にどういう人なのか」を把握するのは難しいという。
大内代表:簡単な適性検査もやっているんですけど、正直、ほとんど形式的になっていました。結局、自分が面接したときに感じた「いいかな、どうかな」という感覚で、ほとんど採用を決めてしまうんです。本当にどういう人なのかはよく分からないまま、採用しているというのが現状でした。
同法人では、会計業務の経験者だけを採用しているわけではない。一定の基礎知識があれば、専門的な仕事は入社後に教育できると考えているからだ。その分、「どのような人なのか」「周囲とどう関わるのか」といった部分を見極めることが重要になる。
しかし実際には、「入って仕事を教えている段階で、『いけるかな』『ちょっと難しいかな』と分かってくる」という状態だったという。
まず自分で分析を受けてみた。「よく当たっているな」と思った

――クラウドアトモスを導入したきっかけは何だったのでしょうか。
大内代表:やっぱり、「答え合わせをしたかった」というのが大きかったです。最初に自分自身を分析してもらって、出てきた結果を見たときに、感覚的にも「いいな」と思いました。
それで、職員全員をやったらどんな結果が出るんだろうと興味が湧いたんです。自分が感覚で捉えているものを、文章や具体的な形で示すことができたらいいなと思いました。
大内代表は以前、質問に回答するマークシート形式の検査を受けた経験があったという。その結果とクラウドアトモスによる自身の分析結果には共通する部分があり、「面白い」と感じた。
一方で、従来型の質問回答式検査には難しさも感じていた。
大内代表:マークシートだと、どう答えればよく見えるか分かっている人もいるかもしれない。実際、うちで使っている適性検査でも、回答の仕方によっては「虚偽」のような結果が出てしまうことがあります。
クラウドアトモスは、そういう意味では「よく見せよう」ということがしにくい。そこは興味を持ったところですね。
「あなたはこういう傾向がある」。新人への伝え方が変わった
スタッフ全員を分析した後、大内代表は一人ひとりに本人のレポートを渡した。そして、その結果はすぐに実際の育成にも使われ始めた。
ある新人スタッフは、実務経験が少なく、仕事を進めるスピードが上がらない状態が続いていた。周囲の指導担当者からも「理解しているのか分からない」という声もあったという。
大内代表自身も話をしてみたが、本人にどう伝えればいいか迷っていた。そこで使ったのが、クラウドアトモスの分析結果だった。
大内代表:本人に結果を見せて、「あなたはこういう特性が出ている。今の行動もここに出ている通りだから、そこを少し意識してみたら?」と話したんです。その人の場合は、慎重になりすぎて、考えすぎてしまうところが出ていました。
そのように話をした後、その人はだいぶスピードを上げて仕事ができるようになった。「ああ、こういう使い方もありだな」と思いました。
単に上司から「もっと早くやって」と伝えるのではない。「あなたには、こういう傾向があるようだ。それを踏まえてどう思う?」と、分析結果という第三の情報を間に置くことで、本人を否定せずに行動について話しやすくなる。
大内代表は、本人と会社側が「特性」や「留意点」を共有しておくことで、本人自身も行動を振り返るための指針になると感じているという。
全員分のレポートを手元に。「一人ひとりをどう活かすか」を考える材料へ
インタビュー中、大内代表の手元にはプリントされたスタッフ全員分のレポートが拡げられていた。
「バーッと紙で見られるようにしているんです」
そう話しながら、一人ひとりの特性や留意点を確認していく。クラウドアトモスは、単なる個人診断としてではなく、徐々に組織を考えるための情報として使われ始めていた。
現在は、個人の特性に加えてチームの組み合わせも検討している。たとえば、「このメンバーで新人を育成するとしたら、それぞれどんな役割を担うとよいか」といった問いを、分析結果と生成AIを組み合わせながら考えているという。
大内代表:それぞれの特性や留意点が分かっていて、さらにグループも出してもらっている。そこから、「この人たちで新人を教育するとしたら、どういう行動を取ったらいいか」と考えられる。今、そういう形で評価や育成とも連携させながら取り組んでいるところです。
「仲がいいから」ではなく、理由のあるチーム編成へ

大内代表が今後、特に期待しているのが、チーム編成への活用だ。
これまでにもグループ編成を考えたことはあったが、経営者の感覚で決めると、社員からは「仲がいい人を集めたのではないか」「社長の好みなのではないか」と受け取られる可能性がある。
一方、一人ひとりの特性や役割を踏まえたチーム編成であれば、「なぜこの組み合わせなのか」を説明しやすくなる。
大内代表:今後期待しているのは、例えばチーム分けでも、「僕の感覚でやっているんじゃない」と示せることですね。ちゃんと裏付けに基づいて組んでいる。感覚でやっていたことの、ひとつの根拠になるのかなと思っています。
経営者にとっても、「なぜこの人にこの役割を任せるのか」を説明できることは大きい。大内氏は、就業規則や給与規程と同じように、人材マネジメントにおいても「説明できる根拠」があることで、社員側の納得感につながるのではないかと考えている。
「できない人」ではなく、「慎重に進める人」かもしれない
分析結果を共有することで変わるのは、経営者から社員を見る視点だけではない。大内代表は今後、チーム内でも互いの特性を理解できるような使い方を考えている。
大内代表:今までは、「何かできないやつだ」と思ってしまうこともある。でも、その人の特性が分かれば、「この人はそういう人なんだ」と踏まえて接することができますよね。お互いがどういう人なのか理解できれば、接し方も変わるんじゃないかなと思っています。
たとえば、仕事が遅いように見える人が、実は「できない」のではなく、慎重に考えてから動く傾向が強いのかもしれない。相手の行動だけを見るのではなく、その背景にある特徴を知る。それは、一人ひとりを活かすチームづくりにもつながっていく。
「今までの経験値」が通用しない時代に
インタビューのなかで、大内代表が何度も口にした言葉があった。
「今までの経験値が通用しなくなっている」
採用や育成を長く経験してきた経営者ほど、自分なりの「人を見る目」を持っている。しかし、働く人の価値観や仕事観は変化している。過去にうまくいったやり方が、そのまま次の世代にも通用するとは限らない。
大内代表:今までは経験値だったんですよね。でも、新しい人たちの考え方が出てくる中で、その経験値が成り立たなくなっている。若い人の採用でも、「たぶんこうじゃないか」と仮定を置いて動くけれど、その答え合わせをする方法がない。だから、こういう特性を踏まえて判断していけると、すごくやりやすくなるんじゃないかなと思っています。
目指すのは、「人に苦労しない会社」
――最後に、これからどんな会社をつくっていきたいですか?
そう尋ねると、大内氏は迷わず答えた。
大内代表:「もう、人に苦労しない会社を作りたい」
一人ひとりがどんな特徴を持っているのかが分かれば、経営者側も無理な期待をしなくなる。合わない役割を無理に与える必要もなくなる。そして採用時からその人の特徴を理解したうえでスタートできれば、入社後の育成や配置も考えやすくなる。
「そうすれば、人的なストレスが減ってくるのではないか」
大内代表はそう話す。
「いいチームをつくりたい」と願う経営者へ
最後に、「いいチームをつくりたい」と願う経営者へのメッセージを聞いた。
大内代表:「人の採用や労務問題は、どうしても感覚値や経験値、勘に頼る部分が大きいと思います。そこをきちんと文書化して、見える化して、人と接していく。そういうことをぜひやってみてもらえたらと思います」
経営者の勘や経験を否定するのではない。それを可視化し、確かめ、次の一手を考える材料にする。
クラウドアトモスを起点に、「人を感覚だけで判断する組織」から、「一人ひとりを理解して活かす組織」へ。
ベンチャー支援税理士法人では、新たな挑戦が動き始めている。

●クライアント情報
社名:ベンチャー支援税理士法人(税理士法人番号第777号)
設立:平成16年9月1日
代表:ベンチャー支援税理士法人 統括代表 大内 智
所在地:東京都品川区上大崎2-15-19 MG目黒駅前312号
企業HP:https://venture-shien.jp/
採用情報:https://venture-shien.jp/recruit

●クラウドアトモス(CLOUD ATMOS)について
日本語URL:https://bagna-cauda.jp/cloudatmos/
英語URL:https://bagna-cauda.jp/cloudatmos-en/
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